ひまわりの涙
コーヒーとケーキが運ばれてきて司とは色々な話をした。

この二年間どうだったかとか、今は何をしてるかとか…

努めて笑顔で話そうと思った私は、心配させないように今はとても幸せだと話してきかせた。

そんな私の話を時折辛そうに、楽しそうに聞いてくれた。

「司さんは病院どうなの?」

一通り私の話をおえてから司の近況を聞いてみた。

「何も変わらないよ。二年前とね」

そういってニッコリ微笑む。

司は天田総合病院の跡取りで外科医。

政界から芸能界まで重鎮と呼ばれる人達がくる病院。

きっと大変なんだろうと思う。

それなのにこうして時間を作って会いに来てくれたことが嬉しくもあり申し訳なさで一杯だった。

「またそうやって俯く!鞠乃…君は下を向きすぎる。もっと顔上げて堂々として…」

優しい微笑みと共に、頬を包むように手を伸ばしてきた。

「とても綺麗なんだから自信をもって」

恥ずかしさのあまり俯きそうになる私を司の手が許さなかった。
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