ひまわりの涙
いよいよ家族に会う日。

朝早くから支度をすませ心の準備をしていた。

この日の為に普段は着ないクリーム色のスーツを買い、化粧も念入りにした。

私の安月給ではブランド物は買えなかったけど、それなりに恥ずかしくない格好をしたつもりでいる。

外を眺めると嫌みなくらい澄んでいる空に益々私の心を重くさせた。

そんなときピンポーンとチャイムがなった。

インターホンなんてないので、ドアに付いてる覗き窓から今鳴らしたであろう人を確かめる。

「えっ!」

小さい驚きの声しか出なかった。

ピンポーン…

「…………………」

なっ、何で…

ピンポーン…

ユックリとチェーンと鍵を外し、ドアを開けた。

そこには…

鏡明人…

なんでここにこの人がいるの?

パニックをおこしそうになるのを賢明にこらえた。
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