ひまわりの涙
部屋は三階にあるため急いで一階に降りた。

取りあえず鯉淵さんに会う為に。

既に家の中ではお手伝いさんが忙しなく働いていた。

私が脇を通ると慌てて頭を下げてくる。

どうしたものかと思ったが一応朝の挨拶をしていった。

そんお手伝いさんの対応に困っていると

「お嬢様、いったいどうなされたのですか?」

探していた人の声に一気に振り向くと、以外に近い場所に立っていたのかぶつかりそうになった。

「ご、ごめんなさい」

慌てて頭を下げる。

鯉淵は特徴のある笑い声をあげた。

「ホッホッホッホー、朝から元気がいいのは良いことです。しかし、いったい何事ですか?先ほどお嬢様が走り回ってると報告がありまして、こうして探していたのですよ」

へっ?

走り回ってる…そんなに私…

気が付けば肩で息をしていた。

「やだ…私鯉淵さんに相談があって…慌ててたから…」

「まあ、いいでしょう。こんな早い時間に相談とは大切なことなのでしょう。お部屋でユックリ聞かせてください」

そう促され元来た道を戻ることにした。
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