ひまわりの涙
「ありがとう…」

何故か鏡にそう呟いていた。

そんな私にフッと笑うだけで何にも話さない。

「鏡さんは何故あそこに?それにこの車…」

落ち着いてきたお陰で今の現状を聞く余裕がでてきた。

「今日は休みだった。あそこを通ったのはたまたまで、お嬢様がボロボロの格好で歩いてるのが見えたから拉致ってみた。それにこの車は俺の。今日は俺のプライベートだから敬語は使わない」

そう一気に話してニヤッと笑った顔を向けてきた。

それじゃ私がせっかくの休日を台無しに…

「ごめんなさい…」

思わず謝っていた。

そんな私に鏡は大笑いする。

何が可笑しいんだろう…そう聞こうとしたとき鏡が話し出した。

「お前さ…プププ…あの神城家のお嬢様だろ?プププ…もう少し堂々としろよ。それにプライベートだろうがしゃべり方が失礼だとか怒らないわけ?プププ…」

「そっ、それは…私…そんな…私が偉い訳じゃないし…」
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