ひまわりの涙
ゆっくりとベッドに横にならせようとしたとき鞠乃の目が開いた。

「司さん?」 

鞠乃は一瞬驚いた顔を見せたが、その後はフワッと優しい微笑みを司に向けた。

自分の状況を把握したのか鞠乃は笑いながら話し出した。

「ここに帰ってきてから司さんに寝かせて貰ってるね」

司は屈託のない笑顔をみながら嬉しさ半分、男として自信を失ってしまう自分と複雑だった。

司は消してモテないわけではない。

むしろモテていると言った方がいいだろう。

そんな司も鞠乃の前に来ると自信が揺らぐ事が多い。

思わず苦笑いが漏れてしまった。

「司さん?どうしたの?」

鞠乃は体を起こしベッドに横に並んで座った。

「いや、なんでもないよ。自分が臆病者だったことに気が付いただけだよ」

そう言って鞠乃の頭を撫でた。

「臆病者?」

鞠乃の知る司は臆病なんて言葉を知らないくらい強い人だと認識している。

そんな司の言葉に困惑していると司は思い出したように話し出した。
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