ひまわりの涙
差し出してきた白い封筒。

たいして長い手紙じゃないことも封筒の厚さと今までの経緯から分かる。

震えてる手をムリに押さえつけながら手紙を受け取る。 

そんな私の様子をさっきの感じのいい表情はなかったかのように冷たい顔つきで鏡明人は見ていた。

「あっ、ありがとう、ございます」

ペコッ。

頭を下げそそくさとその場を離れようと彼の脇を通り過ぎ様としたとき…

ガシッ!

腕をつかまれた。

何事かと彼の顔を見上げるとさっきと同じ様な冷たい表情で鞠乃を見つめている。

「まだ…なにか…」

怖い…

何とも言えない雰囲気を漂わせている彼が凄く怖かった。

もし目で人を殺せるならこんな人を言うんじゃないかと思えるくらいの圧力があった。

「何があったのか知らないし聞く気もないけど、今の生活を守りたいならその手紙読まない方がいい」

何を考えてるかまったく分からない彼の顔を見つめるしかできない。

「僕の用はそれだけ」

じゃあね!と会ったときの笑顔を漂わせ彼は颯爽と去っていった。

「あの人はいったい…」

その後ろ姿から目が離せないでいると風が早く帰れといわんばかりに一風吹き荒れた。
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