ひまわりの涙
広げてみたドレスは、胸元がV字に深く開いているドレープのドレス。

シルクで出来ているから軽さもある。

色は…ブラック…こんな大人っぽいドレス私に似合うわけがない。

その場から出ようとした。

それを止まらせたのは私がやると決めた決意。

そうだ…私、私、もう逃げないと決めたんだ。

これからの人生お兄様、いえ、あの家に尽くすって…

震えるてで落としたドレスを拾い、戸惑いながも着替えることが出来た。

恐る恐るついたての外へでるとさっきの男性、基女性が待ち構えていた。

「おっそいわ…」

言葉を途中で止めて驚きを隠せない顔で私を見つめている。

「あの…何か…変ですか?」

不安になってドレスをいじりだした。

「すっ、すてきぃ~!!もうあなた最高よ!」

急に抱きつかれバランスを崩してしまった。

すんでの所で抱き止められ

「あなたいったいどこの事務所?今度化粧品会社のオーディションでてみない?私推薦するから!」

勝手に盛り上がっているけど…私は呆然と立ちつくすだけ。

そこへ優子さんの助け船が入った。

「ちょっと!太郎!何してんのよ!支度ができたら…」

そういって私を見つめる。
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