ひまわりの涙
ー13ー
春仁はホテルの一室に鏡と向かい合っていた。


「どうだ?相手の動きは。会場にも数人紛れ込んでるのを見た」


「はい。見張りをつけていますから何か動きがあれば連絡が来ることになっています」


「そうか…くれぐれも鞠乃からは目を離すな。そろそろ会場に戻ってくるだろうし、これから発表をしなくてはならない」


「わかりました」


恭しく頭を下げる鏡を後目に春仁は会場へともどっていった。




会場の雰囲気は先ほどと何も変わっていなかった。


それどころかマスマス人が増えた気がする。


鞠乃は司の腕に回している手に力を込めた。


「鞠乃?大丈夫…ただ俺と腕を組んで歩いていればいいから」


司の言葉と大きさが壁となり震えていた手も段々と落ち着きを取り戻していった。


鞠乃は深呼吸をして会場を見渡すと、自分が居る場所には有名な芸能人が群がっていた。


若手ナンバーワンの歌とダンスがパワフルな男性グループ。


シンガーソングライターの女性。


他にも俳優にモデル。


今が旬な人達の人垣…


とっても華やかでオーラが全然違っていた。


場違い…その言葉が私にはピッタリ。


俯き誰とも目を合わせないようにしよう。


そう思ったときいきなり会場中に大音量のアナウンスが響いた。

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