44チャンネル-呪われた都市伝説-
「じゃあ私は見たい本があ――」
杉森は喋りながら光速で本屋の奥へと消えていった。
あれは早歩きというレベルではない、歩いているようだが走るよりも早い……とにかく不気味な動きだ。
これもまあ、見慣れた。
「毎回驚かされるよな、あの動き。あいつ今日の体育であんなに早く走ってたか?いや今のは歩いてた?……もうどっちか分からねえ」
「う~ん……」
俺と汐見は揃って首を傾げた。
クールな杉森にもこんな部分がある、それが杉森の魅力の一つでもあるだろう。
魅力といっていいのか分からないが。
「さてと、どうするかな」
店内を見渡すと他校の生徒があちこちで立ち読みをする姿が伺える。
特に本は好きでもないが俺の親友には小説をよく読む奴がいる。
そいつの影響からか俺も小説を少し読むようになっていた。
とにかくそいつは頭がずば抜けていい、顔もいい。
腹の立つ親友だ。