44チャンネル-呪われた都市伝説-
「京いないの?帰ってきたわよ~」


「いるよ!今から勉強するからこないでもらえる?」


俺は母親に聞こえるくらいの声でそう伝えた。
さすがにこんな時に部屋に来られては困る。


時計から目を離さず全ての精神をそこに集中させる。
秒針がゆっくりと時を刻む、心臓が大きな音を奏でる。
今、俺は人生最大の緊張感を味わっている。


(……ふ、ふふふ……)


何故か笑いたくなる。
緊張してる自分がおかしいのだろうか。

「大丈夫だ……手順を間違えさえしなければ!」


そして時計は遂にその時を示した。
午後十一時三十分。
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