44チャンネル-呪われた都市伝説-
「お客様。他のお客様のご迷惑になりますのでお静かにお願い致します」
「……あ。す、すいません……」
本屋にいることを忘れて大声をあげていた。
この空間にいる全員の視線を瞬時に感じとった俺は本で顔を隠す。
そして横では汐見が今にも泣き出しそうな顔をしている。
「杉森さん、私44チャンネルの手順と準備……しなくていいよね……?」
涙声で汐見は杉森に頼みこんでいる。
俺はそんな汐見をこれ以上見たくなかった。
「汐見、俺はしない。だからお前もしなくていいよ、怖いならしなきゃいいんだよ。これは噂なんだから」
とにかく潮見が悲しむ姿だけは見たくなかった。
汐見が少しでも安心できる方向へ――それが俺の選んだ答えだ。