44チャンネル-呪われた都市伝説-
帰路~そして


見上げると淡い桃色の空、その隙間から星が点々と姿を現し始める。


本屋から10分程歩いただろうか、俺達は学校から一番最寄りの駅である桜ヶ丘駅へと辿りついた。
ここまで誰一人として言葉を発することなく。
駅の階段を上りながら俺はポケットから定期を取り出し、いつものように改札を抜ける。


駅構内に着いても相変わらず誰も口を開かない、それに比例して俺達を取り巻く空気は重くなる一方だ。
快速電車の通過を知らせるアナウンスだけがただ響く。


(この沈黙を破らなければ……)
そう思って俺はもう一度杉森に問いてみた。

「杉森、もう一度聞いていいか?お前は44チャンネルを――44チャンネルの手順と準備をするつもりなのか?」
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