44チャンネル-呪われた都市伝説-
速度を落としながらホーム内に電車が入ってくる。
この時間はどの車両も混んでいて中でも見かけるのは仕事帰りのサラリーマンの姿だ。
車両のドアが開くと結構な人数が桜ヶ丘駅で降りていく、俺達が乗り込んだ時には座席に並んで座れるくらい空いていた。
ドアに背中を預けて窓の外を流れていく景色を眺める。
変わらない景色、それなのにどこか暗い印象を覚える。
「野口は……手順なんて誤らないよな。あいつはそんなヘマするような人間じゃないし」
俺の言葉に潮見は「うん」と、小さく呟く。
ちらほらと家に明かりが灯りはじめている。
時刻は午後7時に近づこうとしていた。