44チャンネル-呪われた都市伝説-
手ごたえがあった。

足をとられ体を宙に浮かせた相手は背中から地面に倒れこんだ。


「このガキが……調子にのるな!」


すぐさま起き上がり体制を立て直した相手はナイフを再び手にとり、鬼の形相で襲いかかってきた。


鼻息を荒げ歯を食いしばる、それはまるで何事もうまくいかない時に子供がよく見せる表情だ。


こんな夜中に近所迷惑な怒声、
俺は鼻で笑ってやった。


「はっ。無理だよ、あんたじゃ俺を刺せない」


「うるさい!死ねっ!」


がむしゃらに振ってくるナイフを俺は冷静に、後ずさって避ける。


「くそう!素早いガキが!」


(チャンス!)


バランスを崩した相手の隙を俺は見逃さなかった。


俺はすかさず相手の懐に潜り込み、左手の掌を相手の胸に押しあてた。
そしてすぐに片方の手を、その左手に押し当てるように掌打を繰り出す。


「がっ……!」


重ね当て、護身の為にとまでは言わないが趣味で覚えていた技である。


相手はその衝撃で吹き飛び、悶絶。
俺はすぐに相手に馬乗りになり胸ぐらを掴みあげた。


「勝俣はどこだ」


「ごほ……お前何故全て知っている……?」


「早く言え……!言うまで何回でも殴りつけてもいいんだぜ?」


相手はさすがに怯えたのか、次には勝俣の居場所を吐き出した。


「と……戸田原遊園地の…倉庫だ……」


「ふ~ん。サンキュー」


居場所を突き止めた俺は相手をもう一度殴りつけて気絶させた。
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