44チャンネル-呪われた都市伝説-

そして風呂から出てはテレビのすぐ前に膝を抱えて座る。
とにかくこの部屋をたくさんの人の声で埋め尽くしたかった。
そうしてただ時間だけが過ぎていく――

こんな日に限って親の帰りが遅い。
壁に掛けられた時計に目をやると、既に午後10時を過ぎている。
夕飯は親が買い置きしてくれていたコンビニ弁当を食べた。
食欲もなかった、胃に流し込むようにして一応は完食した。


「し、汐見に電話するか……まだ早いかな……いや、でも」


リビングで一人迷っていると何やら玄関から物音が聞こえてくる。
これは鍵を開ける音だ。



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