44チャンネル-呪われた都市伝説-

「あのね……お風呂に入っている時に私、見えちゃったの」


心臓の鼓動に合わせて体が大きく揺れているのが分かる。
呼吸は乱れ、自分の目が大きく見開いているのも分かってしまう。


「うっすらとだけど……全身血だらけで目が凄く大きいおかっぱ頭の女の子、じいいいっと私を見てた」


「み……見間違いなんじゃないか?」


「今も見てるのかも、どこからか」


俺は一度息を呑み、自分の部屋をゆっくりと見渡した。
ソファーに座っている自分の後ろには何もない、あるというなら壁だ。
そしてこの位置から見えるのは部屋のドア、押入れ、窓、時計、机、ベッド、そして電源が落ちているテレビ……。
見慣れた光景に在りもしない何かを無意識に探してしまっている。

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