44チャンネル-呪われた都市伝説-
「あ!運転手さん、ここでいいです!いくらですか!?」
霧島高校が目の前に見える位置で車を止めてもらった。
俺は千円札を二枚用意する。
「いいよ、代金は」
「え?」
タクシーのドアが勝手に開く。
振り向いた運転手はどことなく悲しい笑みを浮かべていた。
見たところ大体五十代か六十代くらいだろうか……おっとりとした目元にふっくらとした顔立ちが印象的だ。
「私の友人も数年前に自殺をしていてね、君の気持ちは痛いくらい分かるんだよ。さあ行きなさい」
「……す、すいません!本当にありがとうございます!」
俺はタクシーを飛び出し、一礼をしてから高校へと走る。