44チャンネル-呪われた都市伝説-

「な……何言ってんだよお前」


「早く!ハヤクウウウシナサイ!ハ、ヤ、ク」


足を地に何度も踏みつけ、その度に無造作に髪が揺れ動く。
唾液が地面へボトボトと落ちていき、糸を引く唾液を杉森は腕で拭っている。

駄目だ、もう限界だ。
堪えていた感情が剥き出しになりそうだ。
自分一人じゃ何も出来ない、俺は無力。

「やめてくれ……もうやめてくれ!」

両膝が床に落ちる。
怖いのか、悔しいのか分からない。
ただ、顔を上げることが出来なかった。
その一瞬だった、杉森から目を離したほんの一瞬。

「杉森さんやめてええええええ!」


あの汐見が大声を出した。
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