最後に、恋人。
「由紀!!」
少し開いたドアを勢いよく開けると
やっとの思いでドアを開けただろう、青というより黒に近い色の顔をした由紀が、壁にもたれながらへたり込んでいた。
「病院行こう、由紀」
由紀の腕を自分の首にまわし、由紀を持ち上げた。
由紀は、びっくりする程に軽かった。
「・・・・大丈夫。 さっき薬飲んだし、寝てれば治る」
「でも!!」
由紀の言う事など聞いていられない。
だって、今にも死にそうじゃないか。
「いいの?? 舌噛み切って死ぬよ、ワタシ」
これ以上の脅し文句はないだろう。
だって、由紀は本当にやってしまうから。