最後に、恋人。
こんなやり取りしてる間にミッキーが移動したらどうすんだよ!!
しょーがない。 お姫様抱っこで行くか。
嫌がる由紀を無理矢理持ち上げて走る。
・・・・・・走りづらい。
「由紀、マジでおぶられろって」
一旦由紀を下ろした。
「ドコ行くの?? ワタシ、歩くから」
「後で説明するから。 今時間ないんだって!!」
「やだよ、恥ずかしい」
「恥ずかしくない!! ココ、夢の国!! 何でもアリなの!!」
焦りで日本語がカタコトになってしまった。
「日本語、覚えたて??」
由紀はオレをバカにしながら笑うと、オレの背中に乗っかった。
「恥ずかしいのに変わりないから、光の速さで走ってよね」
「かしこまり」
ココは夢の国。
恥ずかしさなんか超越してしまう夢の国。
なんなら、奇跡だってきっと起こる、夢の国。