私と彼の千日間戦争
仕方ない。だって何も知らずにここへ連れてこられたのだから。

しかも、誕生日だから外でご飯を食べましょって。
ホント、最悪。
小さく溜め息を付いてチラリと十夜を見る。

さらさらの黒髪に二重の切れ長の瞳。少し薄い唇は色気すら感じる。文句のつけようの無いほどの美形だ。

おまけに、某有名大卒で大手企業の跡取り息子。ほっといても女の人が付いて来るだろう。つまりは選びたい放題。

一介のサラリーマンの娘である美人でもない16歳の子供の自分にどうしてこんな話が来たのかは分からないが、破談は目に見えてる。
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