私と彼の千日間戦争
「どうぞ?」

「え?」

「私そこのベンチに居ますから。」

「えっでも…。」

「構いませんよ?その方が時間も稼げますしね。」

にっこりと笑えば今までの無表情を崩し
、苦笑い。

「じゃあ少しだけ。」

そぅ言って歩き出した。その背中を見つめ重音もようやく深い溜め息を漏らした。

春とはいえ夕方近くの今は肌寒く、ベンチに座りながらぶるりと震えた。

何か羽織ってくればよかった。
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