初恋
それからすぐの休日。
私は思い出の海に来ていた。
ひとりで来るつもりだったけど、景が「また海に入っていかれたら大変だから」と冗談か本気か分からない事を言って一緒について来てくれていた。
駅を出てすぐにあった花屋さんで白い花束を買った。
その中に1本だけガーベラの花を入れもらった。
本当はたんぽぽが良かったんだけど、この時期にたんぽぽは咲いていない。
お店の中を見渡して、東吾のイメージに合った黄色いガーベラを花束に足した。
浜辺は相変わらず冷たい風が吹いていて、その冷たさが私の記憶をあっさりと呼び起こす。
『迎えにくるから』
『東吾っ!東吾!!』
『あいつはもう来れないんだ』
幸せな約束と辛い記憶が一緒に残るこの浜辺は私の心をひどく締め付けた。
それでも私は景と共に前に進むことを決めたのだから、と自分を奮い立たせて波打ち際まで歩いていった。
「バイバイ、東吾」
花束を置いてそっと呟く。
7年経ってようやく言えた言葉だった。
私は思い出の海に来ていた。
ひとりで来るつもりだったけど、景が「また海に入っていかれたら大変だから」と冗談か本気か分からない事を言って一緒について来てくれていた。
駅を出てすぐにあった花屋さんで白い花束を買った。
その中に1本だけガーベラの花を入れもらった。
本当はたんぽぽが良かったんだけど、この時期にたんぽぽは咲いていない。
お店の中を見渡して、東吾のイメージに合った黄色いガーベラを花束に足した。
浜辺は相変わらず冷たい風が吹いていて、その冷たさが私の記憶をあっさりと呼び起こす。
『迎えにくるから』
『東吾っ!東吾!!』
『あいつはもう来れないんだ』
幸せな約束と辛い記憶が一緒に残るこの浜辺は私の心をひどく締め付けた。
それでも私は景と共に前に進むことを決めたのだから、と自分を奮い立たせて波打ち際まで歩いていった。
「バイバイ、東吾」
花束を置いてそっと呟く。
7年経ってようやく言えた言葉だった。