初恋
次の日の部活。
私はどこか上の空だったのかもしれない。
自分ではいつも通りにしているつもりだったけど、景に指摘された。

部活が終わり、１年部員と一緒に後片付けをしている時、傍に景が来て話しかけてきた。

「沙羅、なにかあったのか？」
「えっ？べつに・・・何もないけど・・・？」
「それならいいんだけど、なんだか今日は練習に集中出来ていない様だったから」

言われて私ははっとした。
確かに私は練習中にも、東吾になんて返事をしようか考えている時があった。
練習中にそんな風にボーっとしてしまうなんてマネージャー失格だ・・・。

「あ・・ごめんなさい・・・」

私がそう言うと、景は頭をくしゃっと撫でた。

「謝らなくていい。なんでもないならそれでいいから」

景はそう言いながら、しゅんと項垂れる私の頭をヨシヨシと撫でていた。
すると突然、背後から声が割り込んできて私たちはビクッとなった。

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