初恋
「ちょっと・・・なんなのよ!ふたりとも!!」
深刻な顔をして何も言わないふたりにイライラとした声をぶつけた。
リビングに入ったふたりは私に向き合って静かに告げた。
「テレビ、つけてみて」
「何よ、急に・・」
「いいから!」
由香にそう言われ、戸惑いながらもテレビの電源を入れた。
するとそこにはニュースキャスターが淡々とコメントを読んでいた。
そして画面の右上には『報道特番』と書かれていた。
「え?特番?何かあったの?」
そう声をあげた瞬間、私の耳には信じられない言葉が飛び込んできた。
『繰り返します。今日昼過ぎ、成田発ニューヨーク行き×××便がアラスカ沖で消息を絶ちました。まだ詳しい情報などは入ってきておりません』
「え・・・・?」
呆然と立ち尽くす私に由香が言った。
「今日、田宮、向こうに戻るんだったわよね?午前中の便に乗るんじゃなかったの?」
「知らない・・・私、何も知らない・・・・」
「そう・・・・。私たちもこの事を知ってすぐに田宮くんに連絡したんだけど、すでに田宮くんの携帯は切れてたの。だからたぶん田宮くんはこの便に乗ってたんじゃ・・・」
「嘘よ!!」
麻衣の言葉を最後まで聞かず、私は叫んでいた。
「東吾が事故になんて遭うはずない!東吾は向こうへ行ってプロになるんだから!事故になんて遭うはずないんだから!!」
感情的に叫ぶ私の肩に由香が手をおいた。
「沙羅、今はまだ何も分からない。だから落ち着いて」
いつになく優しい口調の由香に諭され、私はとりあえずソファーに座った。
「私たちも一緒にいるから」
そう言って3人でソファーに座ると、食い入るようにテレビを見つめた。
同じ事を繰り返すコメントにイライラしていると、画面の中のキャスターに慌しく紙が回された。
『・・・この飛行機の搭乗者リストが発表されました。この飛行機に乗っていると思われる日本人乗客者は次の方々です』
そのコメントと同時に画面にはカタカナ表記の名前が並んだ。
『×××さん、○○○さん、△△△さん・・・・』
淡々と読み上げられる名前を私は祈りながら聞いていた。
(どうか・・・・どうか東吾の名前がありませんように!)
きつく手を組み合わせ、画面を見つめた。
そしてさっと次の乗客名簿が映し出された瞬間・・・
「あ・・・・」
由香と麻衣の声。
そしてキャスターの声が私の耳を通過した。
『タミヤ トウゴさん・・・・』
「うそよ・・・・」
自然とそう呟いていた。
うそでしょ?
東吾が事故に遭うなんて・・・・。
「沙羅?沙羅!沙羅!!」
私を必死に呼ぶ親友の声と胸が切り裂かれるような痛みを感じて私の意識は暗闇へと落ちていった。
深刻な顔をして何も言わないふたりにイライラとした声をぶつけた。
リビングに入ったふたりは私に向き合って静かに告げた。
「テレビ、つけてみて」
「何よ、急に・・」
「いいから!」
由香にそう言われ、戸惑いながらもテレビの電源を入れた。
するとそこにはニュースキャスターが淡々とコメントを読んでいた。
そして画面の右上には『報道特番』と書かれていた。
「え?特番?何かあったの?」
そう声をあげた瞬間、私の耳には信じられない言葉が飛び込んできた。
『繰り返します。今日昼過ぎ、成田発ニューヨーク行き×××便がアラスカ沖で消息を絶ちました。まだ詳しい情報などは入ってきておりません』
「え・・・・?」
呆然と立ち尽くす私に由香が言った。
「今日、田宮、向こうに戻るんだったわよね?午前中の便に乗るんじゃなかったの?」
「知らない・・・私、何も知らない・・・・」
「そう・・・・。私たちもこの事を知ってすぐに田宮くんに連絡したんだけど、すでに田宮くんの携帯は切れてたの。だからたぶん田宮くんはこの便に乗ってたんじゃ・・・」
「嘘よ!!」
麻衣の言葉を最後まで聞かず、私は叫んでいた。
「東吾が事故になんて遭うはずない!東吾は向こうへ行ってプロになるんだから!事故になんて遭うはずないんだから!!」
感情的に叫ぶ私の肩に由香が手をおいた。
「沙羅、今はまだ何も分からない。だから落ち着いて」
いつになく優しい口調の由香に諭され、私はとりあえずソファーに座った。
「私たちも一緒にいるから」
そう言って3人でソファーに座ると、食い入るようにテレビを見つめた。
同じ事を繰り返すコメントにイライラしていると、画面の中のキャスターに慌しく紙が回された。
『・・・この飛行機の搭乗者リストが発表されました。この飛行機に乗っていると思われる日本人乗客者は次の方々です』
そのコメントと同時に画面にはカタカナ表記の名前が並んだ。
『×××さん、○○○さん、△△△さん・・・・』
淡々と読み上げられる名前を私は祈りながら聞いていた。
(どうか・・・・どうか東吾の名前がありませんように!)
きつく手を組み合わせ、画面を見つめた。
そしてさっと次の乗客名簿が映し出された瞬間・・・
「あ・・・・」
由香と麻衣の声。
そしてキャスターの声が私の耳を通過した。
『タミヤ トウゴさん・・・・』
「うそよ・・・・」
自然とそう呟いていた。
うそでしょ?
東吾が事故に遭うなんて・・・・。
「沙羅?沙羅!沙羅!!」
私を必死に呼ぶ親友の声と胸が切り裂かれるような痛みを感じて私の意識は暗闇へと落ちていった。