願いは白い翼に託して
 優しい風、潮騒、僕が気付かなかったささやかな幸せ。どうして?どうして今更気付いてしまったんだろう?あんなに色あせてつまらなかった世界が、今は何より美しい…愛おしい…。

 暖かい滴が頬を伝って落ちた。寂しさと、優しさと、悔しさが入り混じった、涙。ぽつり、ぽつり、伝い落ちては地面に吸い込まれていく。

 その時、やっと声が聞こえてきた。
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