冷酷社長の極上の愛
「どうした、前原?」

「…コンタクトを落としてしまって」

「エ?!…この暗がりじゃあ、

探すのは、無理だな・・・」

と言いながら、おもむろに携帯を取り出し、

しゃがみ込んだ宗吾は、辺りを探してくれた。

・・・

私もしゃがみ込み、

それを探す。

・・・・あ。

ヤダ・・・

宗吾の手を掴んでしまった。

・・・

見上げると、宗吾の顔が、ぼんやりと見えた。

・・・う、そ。

宗吾は、数年前、

私がまだ父とここに来ていた頃

恋をしたあの人だった・・・

・・・

黙ったまま見つめる私に、

「私の事は、思い出してはくれないのか?」

そう言った宗吾は、

私を引き寄せ抱きしめた。
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