冷酷社長の極上の愛
私の目の前に差し出した、

書類の束。

「これは?」


「…新会社設立の時、建設に当たっての、

契約書」


「・・・」

受け取った私は、

順にそれに目を通していく。

…書類を持つ手が、かすかに震えていた。

これは、明らかに、

父が不利になる契約書だった。

・・・

しかも、宗吾のハンコまでしっかりと押してあった。

白鳥建設社長、白鳥宗吾。

その署名もしっかりと・・・

信じられなかった。

私を信じてほしいと言っていた宗吾は、

嘘をついてたことになる。

長年想った人だから、裏切らないと思っていたのに。


「これでもまだ、白鳥社長を信じる事が出来ますか?」

「・・・でき・・・な、い」

出来るはずがない。

こんな書類を目の前にしたら・・・
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