冷酷社長の極上の愛
「何しに来たんですか?」

目も合わせず、そう言う私に、

悲痛に顔を歪めた宗吾。

・・・

「亜紀と離れてしまった10年は、

私が犯した過ちで、起きてしまったんだな」


その言葉にハッとして、

私は宗吾を見つめた。

・・・きっと、

光司が言ったのだろう。

私の気持ちが一気に溢れ出し、

涙となって流れていく。


「それを知ってて、

よく私に会いに来られましたね」


「…どんなに謝罪しても、

許されないと言う事は分かってる・・・

だが・・・それでも、

私は、亜紀を愛してるんだ・・・

君の傍にいる事で、償う事は出来ないか?」


「・・・そんな事・・無理です」

そうよ。

何をしても、

許すことなんてできない。

父を追い詰めた貴方の事を、

許すなんて私には・・・

今になって、母が宗吾を毛嫌いした意味が分かった。
< 143 / 275 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop