冷酷社長の極上の愛
【新side】

真夜中にもかかわらず、

私は携帯をかけていた。

もちろん相手は、亜紀。

・・・

彼女の事が気になって。

・・・

「もしもし」

少し震えた亜紀の声。

明らかに泣き声だった。

「どうしたんですか?」

優しい口調で、そう問いかけると、

亜紀は、消え入りそうな声で呟いた。

・・・

「もう、どうしていい分からないんです。

…苦しくて、辛くて・・・

どうにかなってしまいそう」

その後、電話越しに、

亜紀の泣き声が漏れてきた。

・・・

「今すぐ行きますから」

電話を切り、一分でも、一秒でも早く、

亜紀の傍に行きたかった。

・・・

亜紀の家の玄関前、

チャイムを鳴らすと、

泣きすぎて、目が腫れぼったくなった亜紀の姿が

現れた。
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