冷酷社長の極上の愛
「付き合ったと言っても、

たったの一週間・・・」


「なぜそんなに短期間なんですか?」

私の問いかけに、

父は溜息をついた。

・・・

「これだけ大きな会社だ。

私が後を継ぐことは決まっていた。

社長就任をまじかにしたある日、

宗吾の祖父、前会長が急な縁談を持ってきた。

何度も断ったよ、私には美登里がいたから。

でもな、こんな世界、政略結婚なんて当たり前のようにある。

私の意見など、一言も通ることなく、結婚が決まった。

それが、宗吾、君の母だ」


「・・・」


「陽子はとても純粋な女性だった。

私に好きな人がいる事を知って、

縁談を破談にしようとしてくれた。

私なんかじゃなく、その人と結ばれなきゃいけないってね。

でも最後は、両家の親に、無理やり結婚をさせられた。

美登里を傷つけ、私は最低な人間だ。

どんな顔をして会えばいいのか、ずっと悩んでいた。

そんな時、私の友人だった、前原誠一が、

美登里を救ったんだ・・・

亜紀さんの父親だ・・・」
< 187 / 275 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop