冷酷社長の極上の愛
鞄から落ちたのはハンカチ。

探し物をしてて、落としてしまったようだ。


「ありがとうございます」

「いいえ」

・・・きっとどんな女性も、

この人の顔を見れば、一瞬は見惚れてしまうだろう。

そう思わされる、

女性にも、男性にも見えてしまう程綺麗な容姿。

だから一瞬戸惑った。

女性…ではなく、

スーツを着こなした綺麗な男性だった。

・・・

私はハンカチを受け取ると、

すぐに会社の方に向かって歩き出した。

それなのに。


「前原亜紀さん」


「・・・は、い?」

私は確かにこの人とは初対面だ。

それなのに、この人は私の事を知っている。



「白鳥建設の秘書をされてますよね?」

「…そうですが、お会いしたこと、ありましたか?」


「・・・いいえ」

「じゃあ、なぜ、私の名を知ってるんですか?」
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