冷酷社長の極上の愛

①本物の愛は

「…社長」

「…なんだ、亜紀?」

困ったような顔で、宗吾を見つめる。

それとは対照的に、

宗吾は私に目を向けることなく、

書類に目を通していた。

・・・

今は朝、7時半。

光司の運転で、宗吾と共に、

会社に向かっている。

・・・

私はそれが嫌なんだけど。

なぜ嫌かって?

それは、私は今まで電車通勤だったから。

いくら秘書でも、

いくら宗吾と付き合っていたとしても、

出社する時は、

一般社員と同じ扱いをしてほしかったから。

・・・

「やっぱり、電車がいいです」

「・・・まだ、駄々をこねる気か?」

ピクッと眉が動き、

宗吾は私にやっと目線を向ける。

・・・

「だって、これじゃあ、特別扱いみたいで」

「当たり前のことを言うな。

これは特別扱いだ・・・」
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