冷酷社長の極上の愛

「宗吾さん」

声にならない声を出す。

宗吾は私から美影を引きはがすと、

ギロッと睨んでこう言った。

・・・

「仕事をトラブラせたのはお前だな、美影？

トラブッた奴を問い詰めたら、

美影の名前が出てきた。

…なぜ、こうも私たちの邪魔をする？

いい加減に亜紀の事は諦めろ」



「…思いのほか、バレるのが早かったな。

全く、使い物にならない・・・

ああ、そうだよ。全部オレが仕組んだ。

面白くないんだよ。

宗吾にはいいものがすべて集まってくるのに、

オレには全くそんなものは集まってこない。

物も人も・・・

だから、奪おうと思った。

心なんかいらない。ただの優越感の為に、

亜紀を手に入れたかった。

でも、もう、それも出来ないんだね？」

そう言った美影は、

どこかせつなげで、私は何も言えなかった。