冷酷社長の極上の愛
「・・さん、前原さん」


「・・エ?は、はい、なんでしょうか?」

仕事もままならない私は、

呼ばれたことすら気づかなかった。

・・・

「ちょっと、付いてきてもらえますか?」

「・・・え」


「いいから」

「は、はい」

・・・

半ば強引に、

私を秘書室から連れ出した光司は、

静かな廊下で私を見つめていた。

訳が分からなくて、オロオロする。


「あ、あの、光司チーフ?」

「これ…どうしたんですか?

秘書課に来てから何の失敗もなかったのに、

こんな初歩的なミスをして」


「・・・あ」

差し出され、指をさした先には、

間違えるはずなんてないであろう、

初歩的なミス…

私は、光司を見上げ、

「すみませんでした・・・

今後このような事がないよう、気をつけます」
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