冷酷社長の極上の愛
・・・

仕事を終えたのは、

午後7時をまわっていた。

・・・

仕事が終わっても、

まっすぐ帰宅する気にはなれず、

私は無意識に、

とある場所に向かっていた。

・・・

そこは、昨日宗吾と行った庭園だった。

閉園時間まで後2時間はある。

宗吾とここに来るまで、

私は数年間、ここに足を運んだことはなかった。

父が死んでから、

ここに来ると、父の事を思い出して

辛かったから。

・・・

でも、昨日久しぶりにここに来て、

また花を見たくなった。

父との事もいい思い出に変えられた証拠か、

ここにいる事は辛く感じなかった。

むしろ、色んな事を思い出せて、

優しい気持ちになった。

・・・

ベンチに座り、花を眺める。

花のいい香りがして、私は目を閉じた。
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