続・鉢植右から3番目
始末をしてテーブルへと戻ると、奈緒が真剣な顔でこっちを見ていた。
それで?と聞くように、小首を傾げる。
私は席に滑り込んでコクンと頷いた。
「・・・陽性だったってこと?」
「うん」
「ちゃんと説明書読んだ?」
「うん」
「って、ことは―――――――――」
前の席で、珍しくラフな格好をした美人の女友達が、ゆっくりと笑顔になった。
大きく笑みを作って、奈緒が両手をパンと叩いた。
「おめでとう、都!あんた、誕生日の前日に、偉業達成ね!」
そこで気がついた。
あ、ほんと。明日が私の誕生日だわ!
ニコニコと笑う女友達の姿が揺らぐ。
ようやく、私も笑顔になった。
「ありがとね、奈緒」
話も聞いてくれて、そして今、この場に居合わせてくれて。