続・鉢植右から3番目


 私は急いでテーブルの上で深く深く頭を下げる。その私を覗き込んで、かなり楽しそうな顔した奈緒が言った。

「あんたに別の誕生日プレゼントよ」

「へ?」

 顔を上げたら奈緒の顎にヒットした。ゴン!と結構な音が響く。ぎゃあ!と奈緒も叫んだ。

「あ」

「・・・何するのよコラ!」

「ごめんなさい」

 両手を合わせてもう一度頭を下げる。すんませーん・・・。わざとじゃないんです~。

「ええと、何の話?」

 事故を避けるために今度はゆっくりと顔を上げると、奈緒は顎をさすりながらぶっすーとして言った。

「・・・女王様からのプレゼント、送るってよ」

 女王様?―――――――一瞬混乱したけど、すぐ、あ、渡瀬さんか、と思った。

「サンプルくれるって言ってたわね、そういえば。あの人、結局何の会社しているの?」

 私が聞くと、奈緒は手早く身支度をして鞄を持ち上げた。そして大きく口元を緩ませる。



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