続・鉢植右から3番目
血圧が、下がっているらしい。それでフラフラするんだな、と思った。
良い子の私はちゃんと医者に言った。すると、これを毎日飲みなさいと薬を処方してくれた。食べれないうちはサプリメントに頼ってもいいですけど、出来るだけ食べるように、と言われて神妙に頷く。
頑張りますぜ、オイラ!
これからのことと、流れ、妊娠とはどういうことかを別室で助産師さんに説明されて、病院を後にした。
嬉しかった。きっと頬も赤くなっていたはずだ。これでようやく周囲に言いまくれる、それがかなりの喜びを生んでいた。
この私が、ついに母に!
私は上がったテンションと気分のままで、銀行へ突入する。
今、我が家の貯金がどのくらいあるのかを確かめたかったのだ。基本的には私が管理しているけど、2冊あるやつの通帳の全部を管理しているわけではない。面倒臭がりなヤツは結婚と同時に自分の全てのものを私に開示して、管理を頼むと言ったけれど、ヤツの財産はヤツのものだから、と、特には触らずにきたのだ。
生活費を入れて貰って、あとはヤツに返している。それとは別の通帳には、一体今どのくらいあるのかを、初めて把握しておこうと思ったのだ。
これからは、ちゃんと家族になるのだから―――――――――――
「230万・・・?」
新しい記帳事項はありません、と機械に言われて返された通帳を、銀行の中のソファーで見ていた。
私は一人、首を傾げる。