続・鉢植右から3番目
2、都の決意
目が覚めたら、白い天井が見えた。
・・・・ええーっと・・・?
私はぼーっとしながら、その天井を走る灰色のラインを目でなぞる。
・・・ここはどこだろう。ざわざわと物音や話し声が聞こえる。そして、私は今、何をして―――――――――
左腕に痛みが感じてゆっくりとそっちを見ると、点滴が見えた。どうやら私は点滴を打っている最中らしい。
と、いうことは。
改めて自分の置かれている環境を見回した。
ここは、病院だ。
ベッドの横、窓際に置かれた椅子に、夫が座っていた。・・・というよりも。
「・・・寝てるし」
私の小さな声が病室に広がる。カーテンで区切られている向こう側には何かの気配がするから、どうやらここは複数の患者が一緒に過ごす大部屋なのだろう。
窓際のベッドの周りをカーテンで区切られたその小さな空間に、ダレ男がいて、ヤツは椅子の上で眠っていた。
本当に、どこででも寝る男だな~。
今は夕方くらいだろうか。真夏の強烈な太陽の光はさすがに少しは弱まって、オレンジ色を窓の隙間から入れている。
黒髪をそのオレンジ色に染めて、ヤツはすやすやと眠っている。
私はその姿をじっと見た。