続・鉢植右から3番目


 興奮する私に反比例するように、ますますヤツはだら~っと答える。

「体調不良、情緒不安定、味覚の変化」

「へっ!?・・・・は、え??」

 私は混乱した頭で忙しく考えた。

 だってだって、体調不良は攻撃されたストレス、情緒不安定は話せないストレスと思ってたんだもの!!だって、タイミングが・・・・・って、え?

「味覚の変化?」

 何だ、それ?

 声は完全に裏返っていた。ヤツはだるそう~に頷く。

「前は苦手だって言ってた生のトマトばかり食べてる」

「誰がっ!?」

「・・・誰がだよ」

「私っ!?」

 え、そうだっけ?そう思って両手で顔を挟む。・・・そう、だった、かも。そういわれたら、なんか、トマト、食べてたかも。でももう夏場だし、やっぱり旬のものは美味しいなあ!と単純な私は感動していただけだったのに。

 こいつは!

 そんなことを考えていたのか!!

 そしてそれは考えるに、同窓会の前からの事、だったんだろう。

 なんと・・・味覚の変化。

「・・・・」

 呆れて口が開きっ放しだった。

 そして恐らく、ヤツも呆れていたのであろう。無表情でハッキリしないけど。


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