続・鉢植右から3番目


 やっかいな男に・・・・って、まあそうなんだけど。

「それ、終った話なんでしょ」

 ヤツはいつもの淡々とした表情をしている。私は掠れた声を出した。

「嫌じゃ、ないの?」

「別に」

「本当?」

 ふう、と息を吐いて、面倒くせーと顔に書いた状態のヤツが、だらだら~っと言った。

「去年の春に出会うまでの都がどこで何をしていたとしても、それは今更俺にはどうしようもない。だから、そんなこと考えるのはダルいんだ」

「・・・そ、そうですよね~」

 へらっと私は笑った・・・いや、ひきつった。そんな返事以外、一体どう返せただろうか!

 ヤツはもういい?て感じに私を見ると、一人で頷いて片手を上げる。

「じゃあ、大人しくするように」

「・・・暴れないわよ!」

 うがぁっ!子供じゃないっつーの!

 シャッとカーテンは閉められて、ヤツの足音は遠ざかっていく。

 私は気が抜けてベッドに倒れこんだ。



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