続・鉢植右から3番目


 私は肩をすくめて自分の食器を片付けに立ち上がる。

 そっか、行くのか、同窓会・・・・。なら私もいこうかな~・・・別に一緒にいかなくてもいいんだろうけど、でも行っておけばこの日は晩ご飯いらないわけだしね。自分の分だけ作るのは嫌だし。

 とりあえず、と私は自分の携帯を掴む。

 後片付けは後に回して、先に電話しよう、私も。

 相手は、夫と同じく小学校から高校まで学校が一緒だった女友達の奈緒だ。私達が呼ばれているなら彼女も呼ばれているはず。

 仕事でロンドンに住んでいた彼女も、今年に入って日本に帰国している。どうせ行くなら友達と一緒の方がいいし、そう思ったんだった。

 ・・・行かなさそうだけどな~。



 思った通りだった。

『はあ~?同窓会?』

 開口一番奈緒はそんな台詞を電話の向こう側でのたもうた。

 まあ、予想はしてたけど。私はベッドに寝転がりながら、苦笑する。

「えらく色んなところを旅してきたらしい案内の葉書が、今日我が家に届いたのよ。それで、奈緒はどうするのかな~と思ってさ」

『欠席って即返事だしたけど』

 当然という口調で彼女はそう言って、後を続ける。

『あんなの行くくらいなら異業種交流のパーティーでも行くほうが遥かに自分の為になるわ。アラサーの同窓会なんて、自分のステイタスを見せびらかしたいのやいかに幸せかを吹聴したいのばかりが集まるに決まってるわよ。うちのダンナが~とかうちの子が今度私立の幼稚園入るんだけど~なんて聞かされる為に金払うなんざバカらしい』


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