続・鉢植右から3番目
目指す壁際にはうちの夫、つまり元生徒会長である漆原大地が、壁にもたれてだら~っとしていた。
真っ直ぐ立ってるのにだらっとして見えるのは何で?永遠のナゾだな。
ヤツは自分は全く動きもせずに、あの人ごみの中から食べ物を奪取してきた私の手から皿を受け取る。それに奈緒がぶーぶーと苦情を言ってると、ヤツはこう言った。
「俺のだろ?」
私はため息をついて答えた。
「ま、そうなんだけど。せめて飲み物くらい取ってくるとか、お箸だけでも用意しておくとか、出来たでしょう?」
「出来ない」
首を傾げていけしゃあしゃあと言いやがる。
「どうして出来ないのだ!5文字以内で簡潔に答えよ!」
がるると噛み付く私に、ヤツは天井を見上げながら言った。指を折って数えながら。
「・・・ダ、ル、い」
横で奈緒が、都、私はあんたに同情する、と呟いている。私はそれをぱっぱと手で振り払った。同情はやめて~!可哀想な気分になるから!
そして夫に向き直った。
「・・・じゃあせめて礼を言え!」
「・・・俺が頼んだんじゃないからね」
「もう食べないでいい!」