続・鉢植右から3番目
私はこっそりとため息をついた。
「・・・えーとね、そうすることで、あなたにメリットないわよね?むしろ、痛い女として見られるのはあなたよ。一体何がしたいのかが判らないんだけど」
私がダルそうに答えたのが更に気に食わなかったらしい。彼女が噛み付いた。
「あんたみたいなのがのうのうとしているのが許せないのよ!」
「佐々波さん、ダンナさんが浮気してるの?」
ズバリと聞いてみたのはささやかなる仕返しだ。だって、それ以外に考えられない。不倫をしていた女、とさっきから私を責めているわけだし。
案の定、彼女はぐっと詰まった。
私ははあーとため息をついて言った。
「・・・私の過去をどうしてあなたが知っているのか知らないけど、既にそれに関しては全部終ってるのよ。私は非常に痛い経験をしたし、それは彼も同じ。だけど一つだけ言えるのは、とっても上手く行っている夫婦の間には、他の女なんて入る混む隙間はないはずよ」
最後につけた言葉は嫌味だ。実際には大変うまくいっている夫婦でも、浮気をする男はやっぱりする。そしてそれは女も同じ。あれは性格だ。一種の病気。
彼女が燃える瞳をひたっと私につけた。握った拳が震えている。
あーあ、興奮してるよ~・・・ちょっと待って、これ、私殴られるパターンかしら・・・。
あの伸ばした爪で引っかかれたらかなり痛そうだなあ~・・・。そういえばさっきの子供云々の会話にも、彼女は参加していなかった。ダンナさんとの間に子供さんはいないのだろうか。