続・鉢植右から3番目


「ちょっ・・・」

「最低のバカ女!あんた達に――――――」

 更にばしゃばしゃと盛大に水が飛ばされる。

 ちょっと待ってよー!!何のバツゲームだよ、これ!バカ女はおめーだよ!

 頭から水を被って私は一人で陸地で溺れていた。

 ・・・神様、いるならここまで降りて来い、セカンド。

 私はトイレからマッハで脱出した。あーあ、可哀想な私・・・とホテルの人。片付け、さぞかし大変だろうなあ。

 冷静にそんなことを考えていたわけではない。本当のこというと、私は混乱していて現実の受け入れ方がノロかったのだ。

「待ちなさいよ!」

 金切り声を上げながら佐々波さんが追いかけてくる。私はちらりと後ろを振り返り、彼女のお腹を蹴っ飛ばしてもいいかどうかを真剣に考えた。

 だって、正当防衛になると思わない?

 今の所、手を出したのは彼女の方なのだから。

 腹が立ったのを我慢することはやめにした。私は走るのをやめて振り返る。追いかけてくる彼女を迎え撃つつもりだった。


 だけど行使する暇がなかった。そこに例の、しっとりとした声が登場したからだ。

 対峙しようとすると邪魔が入るのは、彼女がラッキーなんだろうか、それとも私?

 声のした方を振り返った。






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