続・鉢植右から3番目
彼女はしばらくどこかと電話をしていて、通話を終えてからニッコリと美しく微笑む。
「上に部屋をとったわ。あなた、着替えて化粧を直しなさい」
「え?」
私は呆気に取られて聞き返す。・・・部屋を取った?って、ここのホテルの部屋ですかい?
渡瀬さんは目を細めて私を見る。
「サイズは・・・まあ大体判るわ。もうちょっとつけるべきところにお肉をつけなきゃダメね。着替えの服は私が用意するから、とりあえず上がって頂戴。部屋は1109号室よ」
「え?」
もうそれしか言葉が出てこない。何言ってんの、この人?
「部屋でいい雰囲気になったってヤルのはやめて頂戴。私が見繕った服を持っていったらあなた達が絡まっていたとか嫌よ~」
「ええ?」
どんな顔して言ってんの?と思ったけど、元副会長様で元SMの女王様は、平然とした顔でお話してらっしゃる。
細くて白い指を顎にあてて可愛らしく首を傾げ(何度もいうけど33歳か34歳だよ!)、あ、と嬉しそうに笑った。
「・・・まあ、漆原君がちゃんと機能するのかはと~っても興味があるから、どうしてもの時には先に電話してね。そしたらちょっと覗かせて貰うわ」
「・・・」
目も口も、もしかしたら鼻の穴もまん丸に開けて呆然と彼女を見詰める私を指差して、渡瀬さんはヤツを振り返った。