続・鉢植右から3番目
2、壊れた鉢とすれ違いの日々
人生の中で後から振り返ってみたら、この時期からこの時期までは、暗くて長いトンネルをひたすら匍匐前進していたのだなあ~と思うことって、ある。
私の長い、4年間の不倫時代がそうだったとよく思うことがあった。背徳感でワクワクしたし、恋人である上司に抱かれている時は非常な幸せを感じていた。
だけど、いつでも待ちの姿勢だったし、やはり後ろめたかったのだ。
日々の生活では楽しく社会人をしていたし、何かそれ以外の不満があったわけではなかった。だけど、不倫がばれて退職し、体も精神もおかしくなって実家へ戻り、ニートとして過ごしていた期間、暗くてじめじめとしたトンネルの中を動いていたように思うのだ。
その日々の真っ只中にいる時は、ただ夢中で過ごしていてそんな風には思わない。でも後から振り返ると、あの期間は全体的に暗かったって、思う、そんなこと。
それとはちょっと違うけど、「今日はついてないなあ!」と思う日ってある。
何してもうまく行かない日、というか。
一つ一つは小さくて、大したことではない。だけどその細かい嫌なことが積み重なって、チリのように胸の中へたまっていき、呼吸が苦しくなるような、そんな日。
同窓会の日はそんなこと思わなかった。あの日は佐々波さんに攻撃されたことだけが面白くないことだったからだ。
だけど、今日は、まさしくそれだ。「ついてない日」。
朝一番で勝手に家出して、一人で悶々とし、やっと自分で折り合いをつけて帰宅すれば休みのはずの夫はいない。
しかも、いつもの掃除をしようと、太陽がかんかん照りの昼下がり、私が玄関の外へ出ると、事故が起こってしまったのだ。