続・鉢植右から3番目
「顔色、悪い。寝て」
玄関のドアが開いて、閉まる。
私は一人取り残された部屋の中で、思わず鏡をじっくりと見た。
・・・確かに、たしかーに、顔色が悪い・・・。目の下にはクマが出来、吹き出物も出来ているし、青白かった。
重いため息をつく。
仕方ないのかも。そう自分では判っていた。
とても気になる、私の不倫に関してのヤツの考えも未だ聞けてないし、故に心の中がざわざわと鬱陶しいままで、しかも最近の日曜日にどこへ消えてるのかも判らないしで気に病むことが多いのだ。
話が出来なくて抱き合えないと、こんなにも不安になるものだと初めて知った。
眠りが浅かった。食欲はなくなり、頭痛が頻発し、体がだるくて鬱陶しかった。
よく考えたら生理も来てない。
だけど、これってあの時と一緒だ―――――――――カメのぬいぐるみ、玉姫を抱いて床に寝転がりながらそう思った。
不倫がばれて、会社が居心地のよい場所から地獄に変わった日から、自己都合の名目で退職するまでの間。あの時も、眠れなかったし、食べられなかった。それに生理は3ヶ月こなかった。体調は悪く、顔色も今と同じようだった。
自分で思っているよりも、私は気にしているらしい。
自分の過去を。もうどうしようもない過去を。