続・鉢植右から3番目
3、奈緒の微笑み
「酷い状態ね」
開口一番、奈緒はぴしゃりとそう言った。
あの同窓会の夜、トイレに行く前から会ってなかった。あの夜は帰ってから簡単なメールをし、翌日彼女に電話して、帰宅までの色々を話すと「あのクソビッチ、私がしめる!」と佐々波さんに対して多種多様な攻撃を企んだので、余計なことはしないように、と釘を刺すだけで時間が経ってしまったのだ。
そして2週間以上ぶりで今日あって、昼間のファミレスで、奈緒は目の前の席で私をじーっくりと眺めている。
「ありがとね」
私が疲れてぶさいくな顔のままでそう言うと、ため息をついた後で、よし、と気合を入れていた。
「聞くわ、話して頂戴」
たまたま今日の日曜日は休みだったらしい奈緒は、いつもよりはラフな格好をしている。
私が、今非常に外見が酷いから岡崎店長のカフェには行きたくないというと、彼女は、ならファミレスでいいか、私も砕けた格好で行くわ、と言ったのだった。
やっぱり食欲がないからとドリンクバーだけの注文をした私を睨んで、奈緒は勝手におかゆを注文した。
「食べなきゃダメよ。胃に優しいものを。あんた、本当に幽霊みたいなナリなんだから!あばらが浮いてる女なんて最悪よ」
そういわれて思わずシャツの中を覗き込んで確認してしまった。
・・・そこまでは、いってない。